なぜ「ひとり経営」なのか 〜ひとり経営のメリット〜
前のページでもご紹介したように、「ひとり経営」には、次のようなメリットがあります。
- 固定費が最小限で済み、資金繰りが楽になる(倒産・廃業しにくい)
- スタッフのマネジメントから解放される
- 学ぶことが少なく済む(得意分野・専門分野の向上に集中できる)
- やり甲斐のある仕事に集中できる
- 自由な時間が増える
- 成功しやすい
ひとつひとつご説明します。
固定費が最小限で済み、資金繰りが楽になる(倒産・廃業しにくい)
人が増えれば増えるほど、当然ながら人件費の負担が大きくなります。
さらに、オフィスの面積もそれなりに必要となり、そうすると家賃が高くなります。
この人件費・家賃は、一度増やすとなかなか減らせない経費となって、資金繰りに重くのしかかります。
固定で出て行く経費が大きければ大きいほど、廃業のリスクが高くなってしまうことは言うまでもありません。
スタッフのマネジメントから解放される
スタッフのマネジメントに係る負担は、人を増やすと雪だるま式に大きくなります。
スタッフが1名であれば、経営者とスタッフの1対1の関係だけをケアすれば良いので、大した負担ではありません。
スタッフが2名であればどうでしょうか。実は、経営者とスタッフ2名の1対2の関係をケアすれば良い、とはならないのです。
スタッフとスタッフの関係も発生するので、つまり合計3つの関係をケアしなければならなくなります(図1)。
(図1)
スタッフ3名のとき、4名のとき、それぞれ次の図のようになります。
ご覧いただくとご理解いただけると思いますが、人数が増えたときの負担増加率は大変高いのです(図2)。
(図2)
もちろん全ての関係を経営者が良好に保たなければならないということにはなりませんが、人間関係に起因するトラブルが急激に増え、その負担は重くのしかかります。
しかも人間関係に因るトラブルは、解消が難しく時間もかかります。人を雇っている経営者の方であれば、共感していただけるのではないでしょうか。
その点、「ひとり経営」であれば、その負担はかなり楽になります。
特別にマネジメントを学んだりする必要もありません。3名以内であれば、普通の人間関係の延長という程度の苦労で済むからです。
学ぶことが少なく済む(得意分野・専門分野の向上に集中できる)
スタッフが4名を超えてくると、組織運営論・人事管理・人事評価・人材教育・リーダーシップ・資金調達など、学ばなければならないことが急激に増えます。
一方「ひとり経営」であれば、そのような負担の大部分から解放されます。
そして、自分自身の得意分野や専門分野の実力向上に時間を使うことができます。
例えばデザイナーとして独立した方であれば、デザインの勉強に力をいれることができるようになります。するとデザイン力が向上するので、デザイナーとしてさらに高く評価されるようになるでしょう。そうなれば、サービスの単価を上げることもできます。
経営コンサルタントであれば、学びの時間を経営理論に集中することで、スピーディーに実力を高め、より付加価値の高いサービスを提供できるようになるでしょう。
やり甲斐のある仕事に集中できる
これまで述べたことと重なりますが、「ひとり経営」というスタイルであれば、経営について学ばなければならないことがシンプルになります。
スタッフのマネジメントにかかる時間からも解放されます。
独立するときにやりたかった仕事に集中できるのです。
コンサルタントならコンサルティングの仕事に、デザイナーであればデザインの仕事に、プログラマーならプログラミングの仕事に時間を使えます。
やり甲斐のある仕事(=独立するときにやりたかった仕事・専門の仕事・得意な仕事)に多くの時間を使えるので、毎日の仕事が楽しくなります。
自由な時間が増える
ここまで述べてきたように、「普通の経営」をしようとすれば、多くのことを学ばなければならず、人のマネジメントや資金繰りなどが重くのしかかります。
「ひとり経営」のスタイルであれば、それらの負担を極小化することができます。
自分の自由になる時間が増えるので、専門分野の勉強をしても良いでしょうし、プライベートの時間を増やしても良いでしょう。
成功しやすい
ここまでを総合して考えてみましょう。
余計な勉強や人のマネジメントにかかる負担が減り、産まれた余裕は自分の専門分野向上に集中させることができます。
自由な時間も増えるので、やりたいことに時間を回せますし、働きずくめによってメンタル的に追い詰められるようなことも少なくなるでしょう。
固定費が少なくて資金繰りの苦労も減るため、廃業リスクも低く、資金繰りの悩みも軽くなります。
つまり、成功確率が高まる、と言えるのです。
―ひとり経営のススメ― コンテンツ
- “普通の”経営は難しい
- 「ひとり経営」とは
- 「ひとり経営」の抱えるリスクと「ひとり経営戦略」
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